「大御所芸人に殴られる」「中居さんとの飲み会には…」キー局現役アナウンサーが明かす、タレント接待の《リアル》

調査委員会に委ねられた「トラブルの真相」

去年12月に発売された「女性セブン」の報道、同月25日の「週刊文春」による続報で表沙汰になった、中居正広と女性とのトラブル。

今年に入って続報を打つ「週刊文春」がフジテレビの編成部長A氏に“献上させられた”という女子アナの証言を報じると、話題は同社の日常的な“女子アナ上納文化”へと発展している。

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フジテレビは17日、1月度の定例社長会見を開催すると、同社の港浩一社長(72)は社内の番組打ち上げなどで行われる女性局員を伴っての会食について、「自由参加だった」との見解を示した。

また、週刊誌報道にある中居のトラブルに同社の男性社員が関与していたかどうかについては「私はなかったと信じたいと思う」とした上で、調査委員会に委ねるとした。

前編記事『これは「フジテレビだけ」の話なのか…中居正広の女性トラブル問題で、キー局現役アナウンサーが明かした“女子アナ上納文化”の「深すぎる闇」』に引き続き、アナウンサーによるタレント接待の実情を詳報する。

タレント接待は女子アナだけの仕事ではない

キー局のある現役男性アナは、タレント接待の実情について次のように明かす。

「女子アナはもちろんですが、年配の女性タレントが相手の際は、我々男性アナウンサーが一緒に飲むこともあります。私も以前、大御所の女性芸人を囲む会に参加して、隣に座って相手をしました。その方は日本酒を飲んでいたのでお酌をしていたのですが、酌のタイミングが悪かったという理由でもの凄く怒られて、グーで殴られたんですよ」

どう考えてもパワハラ案件だが、男性アナは「一般社会とは常識が違うのかもしれません」として、こう続ける。

「酔ったタレントから公開説教を受けるのは日常茶飯事です。今の時代、パワハラになるような事案でも、大御所タレントが相手ですと、ある程度は我慢する必要があります。『それが仕事でしょ』といわれてしまえばそれまでですが、限度ってものがありますよね。

ちなみに、僕が殴られた場面では、別のタレントさんがなだめてくださったおかげで、なんとか場は収まりました。でも、たかだか酌のタイミングが早いか遅いかだけで殴られた時は、タレントとアナウンサーの力関係の差を痛感しました。中居さんのトラブルも、そうした力関係の差が大きかった故に拒むことができず、起きてしまったと想像しています」

「私たちは電波芸者じゃなくて芸者」

こうした接待文化は、一般人でありながら準タレントのような立場でもあるアナウンサーを雇うテレビ局ならではと言えるだろう。別のキー局に勤める男性(40代)は、業界の風習を語る。

「前に大物芸人が『女子アナは顔が可愛いし口が堅いから最高だ』と話していましたが、タレントからしたら本当にそうで、素人の女性と飲むよりもはるかに安全だから、女子アナは重宝される。

普通の会社だと、男性を接待する場合、女性が接客をする夜のお店に行ったりしますが、テレビ局には容姿端麗なアナウンサーが数多く存在します。彼女たちはアナウンサーの前に会社員なので、大切なお客様との飲み会も仕事のうち。飲み会で女子アナがアテンドするといった文化ができた一番の理由はここにあります」

しかし、いくら仕事とはいえ、「接待には参加したくない」というアナウンサーもいるはずだ。

「一つ先輩の女性アナが『私たちは電波芸者じゃなくて、ただの芸者だ』って言っていて、そうした立場に嫌気がさす人も一定数います。ただ、彼女の言う芸者にならなければタレントにもプロデューサーにも可愛がられず、結果としてアナウンサーとして大成しない…という悪い流れがあるのは確か。そうしたことをせず、アナウンサーとしての仕事に純粋に取り組んでいる子ほど報われないんです。今回のフジの件で、業界の悪習が少しでも改善すればいいのですが」(前同)

中居との飲み会に参加した女性の声

最後に話を聞いたのは、以前、中居と酒席を共にしたという現役の女子アナだ。

「中居さんと仲の良いプロデューサーからの誘いで参加しました。松本人志さんも来ていて、場所はホテルの一室です。正直、芸能人の飲み会に女子アナが呼ばれた意味…みたいなことを考えざるを得ませんでした。私自身はそうした会に参加することに抵抗はありませんでしたけど、みんなが私と同じような考えではないはずです。この問題を機に、業界の文化が変わればいいなとは本当に思います」

この女子アナは、「飲み会はすごく健全で、中居さんは終始上機嫌、松本さんは私たちにイジられるような立ち回りをしてくれていた」と語り、報道にあるようなトラブルなどはなかったと強調した。

会見で社内の番組打ち上げなどで行われる女性局員を伴っての会食について、「自由参加だった」との見解を示したフジテレビの港社長。だが、今回取材に応じたテレビ局員の話では、「自由」とは名ばかりの業界独特の文化と構造の影響があった可能性は否めないのではないか。

【つづきを読む】『中居正広が匂わせた「結婚に関するトラブル」…テレビ局幹部が激怒した「騒動直後のウソ」』

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