「水着の中に手を入れられ…」「新人は触られ放題」10代で全女に入団したアイドルレスラーの告白…小倉由美が明かす、過酷な“長与千種の付き人”時代
全日本女子プロレスでデビューし、ドラマ「輝きたいの」にも出演した元女子プロレスラー・小倉由美さんのインタビュー(第1回)
クラッシュ・ギャルズの長与千種の付き人を務め、自身も“アイドルレスラー”として人気を博した元女子プロレスラー・小倉由美さん。間近で触れた80年代の全日本女子プロレスの熱狂を振り返ってもらった。
昨年末にNetflixシリーズ「極悪女王」が大ヒットして、主人公のダンプ松本を中心とした昭和の全日本女子プロレス興業(以下、全女)が再び脚光を浴びた。同作が世界に広がるちょうど40年前、日本で初めて女子プロレスを題材とした連続ドラマが放映された。TBS系「輝きたいの」だ。同作で準主役の1人に大抜擢されて、のちにクラッシュ・ギャルズの長与千種の付き人を務めたのが小倉由美さんだ。中学を卒業して全女に入団した小倉さんは、10代で最狂にして熱狂の数々にふれることとなった。
小倉 「極悪女王」は、見ましたよ。配信日は長男の誕生日で、あわててみんなでケーキを食べて、「もうママは部屋にこもって見るからね」なんて言って(笑)。描かれていたのはほとんど本当のことだし、当時をすごく思い出しました。敗者髪切りデスマッチ(85年8月28日、大阪城ホールの長与千種vsダンプ松本)もそうだし、たくさんの人がいじめられてた話もそうだし、「あっ、ここは書かなかったんだな」っていうようなことも含めて、すごくおもしろかったです。たぶん、2周半ぐらいは見てますね(笑)。
――「極悪女王」によって、小倉さんが活躍していた昭和の全女が世界中に知れわたることになりました。
小倉 私は5、6年しかいなかったですけど、ものすごく濃い時間だったので、もう(全女は)なくなってしまったけど、あのころをみなさんに知っていただけてうれしいですよね。「見ました」っていうお客さんもいますし(※小倉は現在、夫婦で天ぷら屋を経営)。
――これを機に、久しぶりに自分の試合を見るなんてことはありましたか。
小倉 インスタを見ていて、出てけば見ますけど、あえて検索することはないかな。見るとね、自分の癖とか走り方、受け身の取り方に目が行っちゃって、「もうちょっとこうしとけばよかったな」とか、「この組み立ての流れがよくなかったな」みたいな反省点があります、いまだに(笑)。
――「極悪女王」で描かれていた道場を使って、1984年に撮影されていたのが「輝きたいの」でした。全女の全面協力で、小倉さんは新人選手を演じる準主役の1人でした。
小倉 デビューしてすぐで、16歳ぐらいでしたかね。撮影があったので、私1人だけ旅(地方巡業)に連れて行ってもらえなくて、寮に残りながら、「いまみんなはどこらへんにいるんだろうな」なんて思ってたのを覚えてます。
――撮影秘話を教えてください。
小倉 撮影に入る前に、(同じ女子プロレスラー役の今井)美樹ちゃんや(三原)順子(現・じゅん子)ちゃんら5人で全女の道場で練習してましたね。美樹ちゃんはモデルさんで、初めてのドラマっていうことだったので、練習が終わったら2人で電車に乗って、発声の先生の自宅に行ってましたね。(道場があった)JR目黒駅から山手線に乗って行くんですけど、練習終わってお腹がすいてるから、ホームで一緒にパンを食べたり(笑)。去年の11月、5年ぶりぐらいに美樹ちゃんのライブに行きましたけど、あのころと変わらない優しい感じで。綺麗で聡明でしたね。