いしだあゆみさん なかなか出せなかったショーケンの“離婚届”と「寅さんとの共演秘話」
映画「学校Ⅱ」製作発表での、いしだあゆみさん(中)。共演した吉岡秀隆(左)、西田敏行さんと(1996年)
甲状腺機能低下症という病気で
「ブルー・ライト・ヨコハマ」「あなたならどうする」などの大ヒット曲を持ち、女優としても映画『火宅の人』でブルーリボン賞、日本アカデミー賞など主演女優賞を獲得した、いしだあゆみさんが亡くなった。76歳だった。
独特な歌声と、卓越した演技力で長く芸能界に輝き続けた彼女だったが、3月11日に甲状腺機能低下症という病気でこの世を去った。知り合いの医師に言わせると
「甲状腺ホルモンが低下することで起きる病気。貧血、低体温、心不全を引き起こすこともあるが、きちんと治療すれば、健康な人と変わらない日常生活が送れる。寿命が短くなることはないですよ」
という病気だそうで、
「本人が気づかないうちに進行していたのかな」
とも話していた。
いしださんとお会いしたのは映画『男はつらいよ』のロケ現場。神奈川県にある江の島だった。
『男はつらいよ』シリーズには、特別な思いがある。
松竹の宣伝マンだったころに、同映画の宣伝を担当。「週刊女性」編集記者の時代にはグラビア取材でロケ現場に何度も伺った。
そして、芸能リポーターになって、初めて『男はつらいよ』の取材に行った時のマドンナが、いしださんだった。『男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋』。笑顔に何ともいえない輝きがあり、言葉も柔らかく素敵な人だという印象を持った。
それまでの取材は、“ショーケン”こと萩原健一さんとの波乱万丈の結婚生活だった。