いしだあゆみさん訃報…広がる悲しみ 「北の国から」など脚本家・倉本聰氏「もっと仕事がしたかった。日本の芸能界にとって大きな損失」

倉本氏は、いしださんの訃報を「日本の芸能界にとって大きな損失」と嘆いた=2022年© サンケイスポーツ

歌手で女優、いしだあゆみさん(享年76)の訃報が流れた17日、芸能界には悲しみの声が広がった。「北の国から」や映画「時計 Adieu l,Hiver」など数々の作品でタッグを組んだ脚本家、倉本聰氏(90)は「『新しい女』も、古風な和風の『をんな』も演じられる本当の女優さん」と唯一無二の存在感をたたえた。

スター歌手であり名優の突然の悲報に、共演者たちから追悼の声が続々と上がった。

「北の国から」では田中邦衛さん(享年88)が演じた黒板五郎の妻役を好演。脚本を手掛けた倉本氏は「『北の国から』でもそうでしたが、あゆみちゃんの演技には常に僕の予想を裏切ってくれる新しさがありました。僕にとっては非常に貴重な存在だった」と深い喪失感を吐露した。

1986年10月に公開された倉本氏の初監督映画「時計 Adieu l,Hiver」では、いしださんが日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。倉本氏は「もっと仕事がしたかった。日本の芸能界にとって大きな損失だと思います」と別れを惜しんだ。

歌手、和田アキ子(74)は所属事務所を通じて追悼コメントを発表し「デビュー当時、本当に本当にお世話になりました。当時、私は背が大きいだけで、よく先輩にいじめられていましたが、その時、いつも守ってくれたのがあゆみちゃんでした。『あんなの気にしちゃダメよ』って優しく声をかけてくれて…」と感謝。

ともに大阪出身だったこともあり、良き相談相手で「『アコとしゃべると大阪弁がうつるじゃない。女優だから標準語を話さないといけないから大変なんだから』と笑いながらポテトチップスを一枚一枚ボリボリ食べてる姿を良く覚えています」と温かい人柄を懐かしんだ。

新興住宅地を舞台に団塊世代の不倫を描き、社会現象を巻き起こしたTBS系「金曜日の妻たちへ」で共演した女優、小川知子(76)はインスタグラムを更新し、「あゆみが、亡くなった、、、」と茫然。16才の時からの友人だったといい「無二の親友だったと思う。何でも私には告白していた。困った時、悔しい時、悲しい時、いつも我が家に来てぶちまけていた」と悲しみをにじませた。

「金曜日の妻たちへⅢ」の制作発表に出席したときの左から奥田瑛二、森山良子、小川知子、古谷一行さん、いしださん、篠ひろ子、板東英二=1985年© サンケイスポーツ

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