「絶望しました」病床で妄言を吐いた2週間後に心肺停止した中村うさぎ「気づいたら車いす生活」原因不明、難病疑いで

作家・エッセイストの中村うさぎさんは、2013年に原因不明の病気を発症し入院。その後、100万人に1人と言われる難病の「スティッフパーソン症候群」の疑いがあると診断されました。入院中に心肺停止にもなった中村さんが、病床で考えたこととは── 。(全4回中の1回)

■原因も病名もわからぬまま体調は悪化し

── 中村さんは、2013年の9月に「スティッフパーソン症候群」という病名がつき、しばらく入院生活を送られていました。病気を発症した当時の状況を教えてください。

中村さん: 2013年の夏ですね。急に食欲がなくなって、何も食べられなくなりました。手が震え始めておかしいなと思っていましたが、症状が夏バテにも似ていたので放置していたんです。その後、息切れがひどくなり、歩くのもつらい状態になりました。友人の医師に話したら、病院で一度診てもらったほうがいいと言われて、病院に検査にいったところ即入院となりました。

── それ以前は、体の不調などはなかったのでしょうか。

中村さん: 今にして思えば、昔から頻繁に足がつっていたんですよね。でも、当時はかなりヒールの高い靴を履いていたので、「ヒールのせいで足がつるのかな」と思って、あまり深く考えていませんでした。

── 診察をして、スティッフパーソン症候群という診断をされたのでしょうか?

中村さん:病院で検査をしてすぐに入院となったのですが、いろんな検査をしても原因が全然わからなかったんです。だから、病名はわかりませんでした。何もわからないまま、入院しているうちに、体調がどんどん悪くなっていって。体のあちこちが突っぱって、すごく痛いんです。「痛い、痛い」ってずっと言っていたんですけど、原因は相変わらずわからないので検査を続けるという日々が、2か月ほど続きました。それでも結局、病名はわからなかったですね。

── 入院中は痛み以外の症状はありましたか。

中村さん:自分では全然気づかなかったのですが、他人からみたら明らかに言動がおかしかったようです。私は公式サイトでブログを書いているんですけど、入院中に書いたブログの内容が支離滅裂だったみたいで。「この内容を本当にあげていいんですか?」ってブログの運用者が心配していたみたいです。健康になって、当時の原稿を改めて見返してみたらおかしなことを書いていましたね。でも当時は、まったく違和感をもっていませんでした。

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