小山明子さん(89歳)は、昭和を代表する女優として知られ、その人生は数々の試練に満ちています。2013年に夫の大島監督を亡くして以降、彼女はうつ病を患い、過酷な介護生活を強いられました。大島さんの脳出血による障害から始まった17年間の介護生活は、心身ともに彼女を追い詰め、自殺願望を抱くほどでした。
彼女の転機は、リハビリ室での出来事でした。隣にいた年配の女性が、大島監督を知らずに話しかけた瞬間、小山さんは自らの変わり果てた姿に愕然としました。この経験を通じて、彼女は精神的な自立を決意し、スイミングを始め、少しずつ心の余裕を取り戻していきました。
しかし、夫の健康状態は悪化し続け、彼女はさらにストレスを抱えることとなります。大島さんが亡くなった後、小山さんはボランティア活動を始め、他者のために尽くすことで自らの喜びを見出しました。
その後、彼女はがんの診断を受けるなど、健康上の問題にも直面しましたが、それらを乗り越えてきました。しかし、2021年には新型コロナウイルスの影響で仕事が激減し、経済的な危機に直面します。精神的に追い込まれ、うつ病を再発しましたが、家族のサポートによって早期に回復することができました。
現在、小山さんはトークショーや公演活動を通じて、東日本大震災の被災地支援にも力を入れています。彼女の人生は試練の連続でしたが、その中で家族の大切さや他者への奉仕の喜びを学び続けています。89歳となった今も、彼女は社会に還元しようと活動を続けており、穏やかな日常を送っています。