元横綱・北の富士さんが突然の死去
相撲界に衝撃が走りました。2024年11月20日、82歳で亡くなったのは、第52代横綱・北の富士、北野藤克明さんです。彼は大相撲で10回の優勝を誇り、辛口解説者としても多くのファンに親しまれていました。葬儀はすでに執り行われ、12月には八角部屋でお別れの会が予定されています。
北の富士さんは、波乱万丈の人生を送りました。中学時代は野球少年でプロ野球選手を目指していましたが、千代の山の誘いを受けて相撲の世界に転身。1957年に初土俵を踏み、順調なキャリアを歩むかと思いきや、盲腸の手術などで苦しむ時期もありました。しかし、1963年に関取に昇進し、その才能を開花させました。
彼の相撲スタイルは、体を使うのではなく頭を使うという独自の哲学に基づき、絶対に下がらず前に出る姿勢が特徴でした。1967年には初優勝を果たし、以降は「夜の帝王」や「プレイボーイ横綱」としても知られ、華やかな生活を送りました。
引退後も北の富士は相撲界に影響を与え続けました。九重部屋を継承し、千代の富士や北斗海などを育て上げました。また、彼が経営したちゃんこ店は、相撲文化の普及に貢献し、北海道の名物として知られています。
晩年は解説者としての才能を開花させ、NHKの大相撲中継で多くのファンを魅了しました。彼の辛口コメントやユーモアのセンスは、視聴者から高く評価されました。
北の富士さんの死去は、相撲界にとって大きな損失です。彼の生涯は、昭和から令和にかけての日本の相撲そのものであり、今後も多くの人々の記憶に残り続けることでしょう。