プロ野球レジェンドの米田哲也氏が、兵庫県尼崎市で万引きの現行犯として逮捕されたという衝撃的なニュースが報じられた。87歳の米田氏は、3月25日午前10時40分頃、自宅近くのスーパーで缶酎ハイ2本を盗んだ疑いが持たれている。店員に見つかり、逃げようとした際には杖を振り上げて抵抗したとのことだ。彼は取り調べに対し、盗んだことを認めている。
米田氏は1938年に生まれ、オリックスバファローズ（旧・阪急ブレーブス）や阪神タイガースで活躍し、通算350勝を挙げた名投手。1968年にはパリーグMVPに輝き、引退後も解説者やコーチとして多くのファンに支持されてきた。しかし、引退後の彼の生活は厳しいものとなり、経済的な困窮が続いていたことが明らかになっている。
1996年には自身のマンションが差し押さえられ、以降も生活は困難を極めたとされる。元々はスナックを経営していたが、経営不振により閉店。周囲の証言によれば、彼は10年前には奇妙なビジネスの話を持ちかけるほど追い詰められていたという。
今回の逮捕に対して、ファンや社会からは驚きの声が上がり、米田氏の健康状態や認知症の可能性を心配する声も多く寄せられている。高齢者の万引き事件が増加する中、彼の事件は日本の高齢化社会が抱える深刻な問題を浮き彫りにしている。
かつての栄光を誇った英雄が、晩年にこのような形で苦境に立たされている現実は、多くの人々にとって衝撃的であり、彼の人生の光と影を考えさせる出来事となった。米田氏は今後、司法の場でその罪と向き合うことになるが、社会全体がこの問題をどう受け止め、解決に向けて動くべきかが問われている。