テレビ朝日が人気番組『大冒険TV』のディレクター、通称“ナスD”をパワーハラスメントと経費横領の理由で降格処分したことが明らかになりました。3月19日、テレビ朝日は公式サイトでこの処分を発表し、同社のコンテンツ編成局第2制作部のエグゼクティブディレクターが2019年から2025年1月までに個人的に利用した会食等で約517万円を不正に受領していたことが確認されたと報告しました。
さらに、彼は複数のスタッフに対して人格を否定するような発言を繰り返しており、パワハラも明らかにされました。制作会社関係者によると、彼は2020年4月にスタートした『大冒険TV』に出演し、破天荒な行動で視聴者から高評価を得ていましたが、今回の問題により番組は打ち切りとなり、公式SNSも削除されています。
ナスDは2017年に放送された『陸海空こんな時間に地球制服するなんて』で全身黒塗りの姿を披露し、一躍名を馳せました。しかし、彼はその際、視聴者に対してCGを使用して顔を黒くするよう指示していたことが発覚しており、これもやらせの一環とされました。この件に関して、当時テレビ朝日は否定の立場を取っていましたが、倫理的な問題が指摘されたままでした。
今回の降格処分は、テレビ朝日が経費処理の適切な使用やハラスメント行為に対する重大なコンプライアンス違反として受け止められています。同社は信頼回復に向けた再発防止策を策定し、ガバナンスの強化に努めるとしています。視聴者や関係者に対し、深くお詫びの意を表明しています。ナスDの失態は、彼が注目を浴びる環境においてどのように行動していたかを考えさせる出来事となりました。