日本の政治史における重要な人物、田中角栄元首相の影響力とその裏の顔について、石原慎太郎氏が率直な証言を行いました。田中氏は昭和の時代に、官僚との強固な信頼関係を築き上げ、国家政策に大きな影響を与えました。しかし、その背後には金権政治の姿が潜んでいたと言われています。
田中氏は、官僚たちとの関係構築において、彼らの信頼を得るために努力を惜しまなかったとされています。彼は若い頃から法律や国の政策について徹底的に学び、官僚たちと真摯に議論を重ねることで信頼を勝ち取ったのです。特に、彼の言葉「この大人室の扉はいつでも開けておくから」は、官僚たちの心を動かすものでした。
石原氏は、田中氏の政治手法について「彼は人を見抜く天才であり、先を見通す力を持っていた」と語りました。一方で、田中氏の金権政治についても言及し、彼が資金を使って政治的影響力を行使していたことが明らかになっています。田中氏が大倉大臣に就任した際には、従来の数十万円の現金が、彼の影響力により数十億円に跳ね上がったという証言もあります。
さらに、石原氏はロッキード事件についても触れ、当時の司法のあり方や田中氏が無罪となる可能性について言及しました。彼は「今裁判をすれば無罪が出る可能性は十分にある」と指摘し、田中氏が受け取ったとされる5億円の賄賂が、当時の政治資金の流れの中では小さなものに過ぎなかったと述べています。
田中氏の残した多額の資産についても触れられ、東京都内の邸宅や軽井沢の別荘が高額で評価されていることが知られています。彼の政治資金の運用方法は、まさに表と裏が入り混じったものでした。政治家としての彼の姿勢や人間性、そして内に秘めた闇の部分が、今なお多くの人々の関心を引き続けています。
