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スーパー「助けて!!」

中小スーパーが米価格の高騰に悲鳴を上げている。政府が備蓄米の直接販売を決定したことで、市場には異なる価格帯の米が流通し、経営判断が難しくなっている。2022年度の320万トンの備蓄米については、61社からの申し込みがあり、5kgあたり約2000円での販売が予定されている。この影響で、岡山市のジバスーパーグランドマートでは、現在5kgの米が5000円前後で販売されており、取締役の岡本氏は「高い減価で予約済みの米をどうすべきか悩んでいる」と語った。

政府の備蓄米販売の発表後、通常の米の売上は1/5に落ち込んだという。岡本氏は、「現場は振り回されている」とし、消費者からも「5000円近い米は手が出ない」との声が上がっている。消費者は、備蓄米が出るまではパンなど他の食材に切り替えるしかないと訴えている。

農林水産省は、米価格が備蓄放出によって大幅に下がることを避けようとしているが、昨年までの2倍以上の価格で米が売れたため、スーパーもそれなりに利益を得ていたと指摘されている。古くなった米を値下げして販売することや、仕入れ業者に補填を求めることが求められている中、スーパーは在庫を抱えるリスクに直面している。

消費者は高い米を買わざるを得ない状況にあり、備蓄米の販売が始まる夏以降には、再び高い米だけが市場に残る懸念もある。市場の混乱の中で、消費者とスーパーの双方が厳しい状況に置かれている。