国土交通省が配達業界の負担軽減を目的に、荷物の手渡し受け取りを有料化し、置き配を標準化する方針を検討していることが明らかになり、物議を醸している。この新ルールにより、受け取り人が不在の場合の再配達を減少させ、配達効率を向上させる狙いがあるが、盗難やトラブルのリスクが高まるとの懸念が多く寄せられている。
現在、宅配便の取り扱い個数は年々増加しており、2023年には50億個を超える見込みである一方、配達員の数は減少しており、特に再配達が大きな負担となっている。国交省は2025年までに再配達率を半減させる目標を掲げているが、現状では8.4%に留まっている。
新たな方針に対し、利用者からは「お気配」によるトラブルの増加を懸念する声が多く、荷物が雨にさらされたり、他人の家に置かれるといった問題が報告されている。また、荷物が盗まれるリスクも指摘されており、専門家は「自己責任」となる可能性が高いと警告している。
さらに、配達員の負担軽減を目的とするのであれば、手渡し受け取りを有料化するよりも、再配達の有料化や配達員の待遇改善が優先されるべきとの意見も多い。国交省の動きには、関連企業との癒着や利権問題が背景にあるとの指摘もあり、今後の展開に注目が集まっている。
この新方針が実施される場合、利用者は手渡しを希望する際に100円から200円の追加料金を支払う必要が生じる可能性がある。果たして国交省は、世間の不安や疑念をどのように解消していくのか、今後の動向が注目される。